石橋医院
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糖尿病とは

糖尿病治療は専門医で
最近の調査で糖尿病はその予備軍を含めると、日本人の成人5〜6人に1人(約1870万人)もいることが推計されています。患者数が増え続ける原因には、健診などで血糖値が高いと診断されてもこれといった自覚症状がないため、治療が遅れることが大きいと考えられます。

糖尿病の種類

 1型糖尿病

 主に幼児から15歳以下の小児期に比較的急激に発症することが多く、若年型糖尿病とも言われています。膵臓のβ細胞が何らかの原因で破壊され、血糖を下げるインスリンが分泌できなくなり発症します。1型糖尿病は、食事療法・運動療法のほかインスリン注射が必要となります。

 2型糖尿病

 日本人の糖尿病の約90%がこのタイプで、40歳以降に発症することが多いとされていますが、肥満の増加とともに10代から発症するケースが増えています。2型糖尿病は、インスリンの分泌量が低下しているか、インスリンの体内での効果が弱いために発症します。2型糖尿病の治療は、インスリン注射を必ずしも必要としませんが、遺伝的素因の他にエネルギーの過剰摂取や栄養の偏った食生活、運動不足、ストレスが大きな要因となり、食事療法、運動療法が不可欠です。

 妊娠糖尿病

 胎盤から分泌されるホルモンにインスリン作用を弱める働きがあり、また胎盤自体がインスリンを壊す酵素を作っていることから、妊娠中に糖尿病を発症することがあります。

 他疾患性糖尿病

 糖尿病は他の疾患から引き起こされる場合や遺伝的因子が原因となることもあります。

怖い合併症

糖尿病には急性合併症と慢性合併症があります。

 急性合併症

 急激に血糖値が上がって意識を失う糖尿病性昏睡で生命にもかかわります。

 慢性合併症

 慢性合併症は、気づかないうちに進行し、様々な病気を引き起こします。3大合併症として、糖尿病性網膜症・糖尿病性神経症・糖尿病性腎症があります。
 このうち糖尿病性網膜症は、眼底の血管がつまったり、出血したりするもので、年間3000人以上が失明しており、成人の失明の最大原因です。
 糖尿病性神経症は、比較的早くから現れ、足のしびれ、痛み、つり、冷え、ほてりなどの症状があり、重症になると小さな傷で壊疽になることもあります。
 糖尿病性腎症は、タンパク尿からはじまり体がむくみ、腎不全の原因となり進行すると人工透析が必要になります。糖尿病による人工透析患者は、年間1万2000人に上り、腎不全による透析導入の最大原因です。
糖尿病と診断される時

 糖尿病かどうかは、血糖検査で確認することで診断されます。血糖値は食前が食後か、ストレスのある状況か否かなどによって絶えず変化しています。このため一回の検査でははっきりと判断できませんので、確定診断には別の日にもう一度検査を受ける必要があります。
 最初の検査で次の三つのいずれかに該当すれば、その時点の血糖レベルは「糖尿病型」と判定されます。2回目の検査でもやはり 「糖尿病型」と確認された場合、糖尿病と確定診断されます。ただし、糖尿病の特徴的な症状(のどの渇きや多飲・多尿、体重減少など)があったり、ヘモグロビンA1cが6.5パーセント以上の場合や網膜症が起きている場合は、一回の検査で「糖尿病型」と判定されれば、2回目の検査を受けなくても糖尿病と診断されます。

「糖尿病型」と判断される検査結果
1)随時血糖値が200mg/dL以上
2)空腹時血糖値が126mg/dL以上
3)75gブドウ糖負荷試験で2時間値が 200mg/dL以上

※ 75gブドウ糖負荷試験・・・75gのブドウ糖を飲み、時間を追いながら血糖値を調べる検査です。血糖値の変動から、糖尿病型なのか、正常型なのか、あるいはその境界型なのか、パターンが示されます。
境界型の人は、今は大丈夫でも糖尿病を発病する可能性が高いので、定期的に検査を受けるようにしましょう。また、糖尿病の人は動脈硬化を起こしやすいのですが、境界型の人や正常型でも1時間値が180mg/dL以上であると、やはり動脈硬化の危険性が高いので注意が必要です。
糖尿病の治療

 糖尿病の治療は、合併症の発症・進行を予防するために高血糖を是正すること、つまり血糖コントロールがすべての基本となります。血糖コントロールの手段は、食事療法、運動療法、薬物療法の3つが柱となります。

 食事療法

 糖尿病では、食事療法は必要不可欠です。食事で余分なエネルギーをとってしまうと、それを処理することが大変になるからです。適切なエネルギー摂取量に抑える方が、血糖コントロールをより楽に行えます。実際、食事が乱れていれば、他の治療法の効果は少なくなります。その意味でも、食事療法は糖尿病治療の根幹となる治療法です。
 具体的には栄養士、看護師から指導を受けたり、講習会に参加するなどして、栄養バランスのとれた食事の仕方を習得するようにします。「糖尿病食事療法のための食品交換表」を利用するのが標準的な方法です。最近では、糖尿病食のレトルト食品、カロリー計算された食事・食材の宅配、栄養計算が簡単にできるコンピューターソフトなど、食事療法を手軽にマスターするための多方面からのサービスが向上してきています。

 運動療法

 運動で体内に余分に溜まったエネルギーを消費すると血糖値は下がります。また、インスリンの細胞レベルでの働きが高まり(インスリン感受性が高くなり)、血糖コントロールがしやすくなります。さらに、血行がよくなる、ストレスが解消される、脂肪が減る、骨格筋が増える、心肺機能が高まるなど、多くの効果が得られます。
 運動の種類は、30分以上継続して全身を動かす有酸素運動が勧められます。それまであまり運動をしていなかった場合には、次第に強い運動に移るようにしてください。週末だけとか、運動の間隔があきすぎるのは好ましくなく、できれば週3回以上できる運動を選びましょう。それには「歩くこと」が最も勧められます。

 薬物療法

 食事療法や運動療法だけではコントロールがうまくできない時、薬物療法を追加します。経口血糖降下薬(飲み薬)を用いる内服療法と、インスリンを注射で補充するインスリン療法があります。
 経口血糖降下薬は、腸からの糖の吸収を遅らせたり、膵臓からのインスリン分泌を増やしたり、細胞のインスリン感受性を高めたりして血糖値を下げます。インスリン療法は直接体外から補充したインスリンが血糖を下げます。どの薬物療法をいつから始めるかは、患者さんの糖尿病のタイプや病状、合併症の進行具合など、さまざまな要因を考慮して決めます。この適切な薬の選択が、糖尿病の合併症を防ぐために重要で、専門医受診をすすめる大きな理由の一つです。

治療の成績を知る指標

 糖尿病は自覚症状に乏しい病気なので、治療がうまくいっているかどうかは検査を受けなければわかりません。血糖コントロールの具合を確かめるには、次のような指標が用いられます。

 血糖値

 血液中のブドウ糖濃度のことで、血液1デシリットルあたりのブドウ糖の量をミリグラムで表します。健康な人の早朝の空腹時の血糖値は100mg/dL以下で、食後でも160mg/dLを超えることはあまりありません。糖尿病の人も、できるだけこの値に近づけることを目標に治療します。ご希望の方には簡易血糖測定器による血糖自己測定も指導いたします。

 ヘモグロビンA1c (HbA1c)

 赤血球の中にあるヘモグロビン(血色素)のうち、ブドウ糖と結合している特殊なヘモグロビン(グリコヘモグロビン)の割合をパーセントで表した指標です。健康な人は4.3〜5.8パーセントです。この指標は過去1〜2ヵ月間の血糖コントロールとよく関係し、ヘモグロビンA1cが高ければ、その時点の血糖値が正常だとしても、直近の1〜2ヵ月間は平均血糖値が高い状態が続いていたことになります。

 その他の指標

 このほかグリコアルブミン(GA)や1,5‐アンヒドログルシトール(1,5-AG)といった指標もあります。また、糖尿病は動脈硬化を助長する高血圧や高脂血症も合併しやすいので、血糖コントロールの指標以外に、血圧やコレステロール値、中性脂肪値なども定期的にチェックすることがとても重要です。

糖尿病は自己管理が大切な病気です

 糖尿病では中途半端な知識や治療は、逆効果になることがあります。しっかりした指導を受け、正しい治療を気長に続けることが大切です。そして、糖尿病は自分をいかに強く制していけるか、克己心にかかるところが多い病気といえます。自分自身のために日々の自己管理を絶やさず、意志を強くもってがんばりましょう。


  

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